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中学校時代 卒業間際
サチさん、遙ちゃんおかりです。
サチさん、遙ちゃんおかりです。
「サチ聞いて。
あたし真白には行かない。」
陸上はもうやらない。
「・・・え・?」
* * *
卒業間際の教室は閑散としてて
同級生はみんな残り少ない中学生を満喫してて
あたしは、教室で
「うそ」
「何言ってんの?確かに引退もしたし、ブランクは空いたけどさ!あすかは・・」
「もう嫌なの!」
サチと二人。
「他人と競うのも、みんなで一緒に頂点をを目指すのも、あたしはそんな馴れ合いもう沢山。」
声が震える
そんなの少しも思ってないくせに、出てくるのは嘘ばかり
「だから、もうあたしは陸上を続けない、ここで終り。」
「・・・」
サチは最後まで何も言わなかった
ずっと唇をかみしめて あたしのことをじっと見てた
たった数分の事なのに、一分が何時間にも感じた
重い 空気
「・・・聞いてくれてありがと。」
そのままサチに背を向けて、教室を飛び出した
* * *
気付けば屋上に来ていた
鍵はかかっているけど通り抜けれる場所があるのは知っている
だってここはあたしの特等席
「みつけた。」
そしてそれを知っているのはもう一人
「あすか、ここ好きだもんね。」
「・・・よく分かったね」
だって親友ですからっ・と遙は微笑んで、そっとあたしの隣りに立った
「だって教室からあすかが飛び出すから」
「うん」
「・・・サチにちゃんと話せた?」
「・・・うん」
曖昧に返事を返す
遙はそれを察したのか うーん・と一声 そして 卒業しちゃうねと
「ここってグランドが見渡せられるね!みんなが走ってるとこも・・」
「遙」
がしゃんっ
フェンスが揺れた
「あたしさ、」
「うん」
「最低だ」
ほんとはあんなことを言うつもりじゃなかったんだよ
陸上が嫌いなわけない
みんなと一緒に行きたかったに決まってる
サチとまた走りたいに決まってる
なのにほんとのこと隠して、あんなことをいったあたしは―――
「ねぇ、あすか」
「肩、貸そうか?」
「・・・うん。」
きっと晴れない嘘をつくのはもうこれっきり
足跡は付けずに走ってく。
(もう、後戻りは出来ないから。)
(0526)(仲違いで10のお題:Abandon)
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