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リオ月
月海さんお借りです。


◆◆◆

この世界で 君と出会って一緒にいられることはきっと奇跡に等しい

だからこの二人の奇跡に 俺は誓うよ

ねぇ 俺は君を








 ぴっ

【▼一時停止】


部屋でちいさく鳴ったリモコンの音

止めたのはオレ

隣はそれを見てくすくす笑っているであろう彼女

目の前のテレビ画面にアップで映っているのは オレの顔





「・・・っかー、恥ずかしい・・」
そう呟いてクッションに顔を埋める


記憶があっているのであれば、確かこれはいつか制作されたの青春ドラマかなんかで
月海が面白いものを持ってきた、と言うから見てみれば中身はこれだったという訳だ

「ね、面白いでしょ?」

声だけ聞いてても分かるくらい、きっと彼女はしてやったり・なんて顔のはず


「そーですね。」

しかし恥ずかしい、

なにがってこの台詞を言ってるオレが
まぁこういう仕事やってるからあたりまえっつーか当然なんだけど

役といえこういうことを言うのってやっぱり照れる


「今度再放送で流れるよ?」
「うっそ」
追い討ちをかけるその言葉に一瞬泣きたくなる

役者、としている時は彼女の方が先輩だから、こーいうのは慣れてるんだろうな・・なんて思ったり
でもオレはまだ苦手だ、歯の浮くような台詞はどうも性に合わない



「でもほら、共演した時はもっと板についてた。」
「そうかー?」
「うん」

よしよし、なんて頭をなでられて
俺のほうが年上なのにー・なんて思わないでもないけど心地良い



それに無表情の中にもにこりと、少しだけほほ笑む姿がかわいらしい、あの時俺はこれに惚れた


「私ねあの時より、今のほうがリオだなって思う」


そういえばあの時もそんな事を言ってくれた気がする



「・・・テレビの中の“小町リオ”じゃなくて?」
「だって、君はこんなかっこいいこと言わないもの。」

・・・

それって言ってくれってこと?、って聞き返せば「そーじゃないけど」って




「うーん」
頭の中にある棚をあさって今までの役で思い出せる限りのセリフを探してみる
やはり出てくるのは歯の浮くようなセリフばかりでどうも思いとどまる

「いいよ、無理しなくて」
「いや、でもさー・・」
くすり・と笑って彼女は言った






「私はそのままのリオが好き」



俺の隣で、無意識か知らないけどそんなかわいい顔で言われて、ね。なんて
ああ、もうそんなこと言っときながらそのままリモコンのボタン押すんじゃない!なんていいたいのをぐっと堪えて


「月海」






かっこいいセリフなんて俺には言えない、これが精一杯



「愛してる」








結局このドラマの最後のセリフもこれだったな、と思い出したのはまたちょっと後の話で

しまった、と思ってまた恥ずかしくなったのは言うまでもなく




それでも彼女は うん私も、とほほ笑んでくれた



(しょうがない、これが俺だから)





****
(0906:rotg)
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